chapter2: 贈り物
橘少将様から頼久にと、数々の品々が源氏武士団に届きました。
「何であろうこれは?熊?」
箱の中には、くまさんのぬいぐるみの他、飛行機やミニカーやらおもちゃがいっぱい。
『鑑賞する』の他に楽しさを見出せないでいるらしい兄上。
暇を見つけては、下げてある菅笠を鑑賞しています。
「この位置では駄目だ」
「兄上〜〜」
「こらこら、よさぬか。」
おねむの前に軽くスキンシップを図る源兄弟。
「大好きです兄上」
「ああ。お前は私の、掛替えの無いたった一人の大切な弟だ…」
「兄上…」
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朝です
またも頼ちゃんは起きっぱなしのまま行ってしまいました。
「やれやれ…」
そろそろ昼食にするかな、と調理を始めようとしたら出火!
「!!!!!!!!!!!」
普段冷静沈着な兄上も、さすがに驚いております。
すぐに火消しが駆けつけましたが、
「な、なんと…!!!」
火を消してくださるはずの火消し自身に引火!
火消し:「………………」
「なぜ私に消火活動をなさるのか??!!!!」
自暴自棄になっているらしい火消し。
「まずはご自分の火を消されよ!!!!!???」
程なくして鎮火。
「………『ぽてとちっぷす うすしお味』……?…」
「……こんなところに菓子の屑が…。ここに引火して出火したのだな。原因は頼久か…!」
頼ちゃんが塾から帰ってきました。
先ほどから構って欲しくてしかたがないらしい。
兄上の前をうろうろしています。
「…しばらく反省していなさい」
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夜
夜の帝王友雅殿が来られました。
「少将様、先日は熊の人形をありがとうござました。」
「君の慶ぶ顔を想像するだけでわくわくしたよ。気に入ってもらえたら嬉しいね。」
「はい、とても可愛らしくて、ぷ…『プラモ』と、言ったでしょうか、あれも格好よいです。ありがとうございます、少将様」
「私のことは『友雅』と。君のその竜胆のような可愛らしい口から聞きたいんだ。」
「………友雅様…」
「『様』はいいよ。せめて『殿』で」
「…恐れ多いですっ。」
子供を口説く友サマ。
日がな一日少将様のことばかり考えている頼ちゃんは、厠にいくのも忘れしっこもらし…。
こんな無様な姿少将様には見せられません。
「………早く湯殿へ行って来い」
「武士道とは……」
書を眺め己の腐った心を叱咤し、精神統一をはかる頼ちゃんでした。