頼久さんがシャワーを浴びています。
「友雅殿に不快な思いをさせぬよう…、丹念に洗わねば…。隅々まで……」
ごしごし
「……こ…
ココも……」
「ああ…友雅殿を想うと姫子のようになる己が恥ずかしい……っ」
「友雅殿いわく『
お楽しみ』は、近頃はご無沙汰であったからな…」
「しかし眠い………、いや!!耐えねば……!!友雅殿…
」
「ん?誰だ?」
頼久さんの入浴シーンを白昼堂々覘く不届き者だ!
いや!
マジカルタウンの『スペルチェッカー』という人物らしいです。
術(魔法)を使うと、罰金を取られてしまうのです。
頼久さんは、浴室に来るときに習得したテレポートを使ってやってきたので、このおじさんがすぐ駆けつけてきたというわけです。
テレポート一回で罰金21シムオリオンはちと高くないか?
と、このときはこう思ったのですが、
その後はどんどん値が釣りあがって行き、今現在は一回につき150シムオリオン近く徴収されています。
用を済ませると、おじさんはすぐに去っていきました。
***
場面を友雅さんに移してみると
ぼわっ
ぶわっ
またも焚き火から大出火!
友雅さんは火に囲まれて身動きが取れなくなってしまいました。
よって、神の手介入。習得していたテレポートで移動させました。
魔法が使えてよかった…。焼死するところでした。
またスペルチェッカーのおやじに怒られました。
それどころではないというに…。
6シムオリオン…。
友雅さんは、頼久さんとの夜の『
お楽しみ』に備え、神に向かってしきりに入浴を訴えていらっしゃいます。
しかし…、この勢いづくばかりの火を消し止めない限りは、いかな神といえど、どうすることも出来ません。
こんな目の前の大騒動に、今まで気がつかなかったのでしょうか。
さも今気がついたように、友雅殿が突然慌てだしました。
「!!!いつの間にこんなに火が回ったのだ?!」
「清き水の流れよ…、全てを押し流すがいい……雨縛気!!」
水の技発動。
「友雅も永泉の技が使えんのかー!?ただのタラシだと思ってたけど見直したぜ!」
***
騒ぎも治まり、お腹が空いた友雅さんは、ご飯をこしらえました。
けれども、コックに話しかけられている間に、みんな持っていかれて空になってしまいました。
空になったお皿を背後に、外へ出て行った友雅さん。
外には、コックが作った料理が並べられています。
食べに行ったのかな、と思ったら
コックが作った料理を全面否定。
「…愚民の作るものにしては、なかなか美味であったが……」
友雅さんは台所に戻ると、再び調理を始めました。
自らの手料理を満足げに美味しくいただいています。
が…
突如彼に悲劇が訪れます。
「はぅあ……ッ!?」
なんということでしょう。
天下の友雅様が………
「これは私がしたのではない」
否定しておられます。
認めたくないお気持ちはよく分かりますが……
すぐに湯殿に向かいました。
今夜の『
お楽しみ』の予定は、精神的ダメージが大きすぎてキャンセルみたいです。
ご自慢のタケノコも意気消沈気味のご様子。
裏庭をみると、ここでも漏らし跡が。
誰?