chapter9: 奮闘中 -後篇-
待ち合わせ場所にやってきました。
将臣くん、ご衣裳がかなり浮いてます。
「…なぁ、今俺たちがいるこの世界は、いったい何の世界なんだ…?日本なのか?肌の色が違う奴とか、見かけるんだが…」
「細かいこと気にしちゃだめだよ!将臣くんらしくないよ?」
「それもそうだな」
また…
プレイヤーのほうを向いて、寂しさを訴えてます。
「望美…、一緒に居るときくらいは、もっと俺を頼ってくれ」
気を取り直してご機嫌伺い。
将臣くんは娯楽が不足しているらしい。
「わかったわ。私にまかせて!」
ステージに立ち、渾身のギャグを披露。
「………」
「メガネかけてねーだろ」
ギャグは不発に終わりました。
「そのお嬢さんとはお前さんのコレかえ?」
あたりを散歩していたおやじが、割って入ってきました。
「そんなんじゃねーよ」
おやじ 「死んだばーさんに、よう似とる。お前さんをみとると、わしの若かった頃を思い出すよ」
「……人種が違うだろ…;」
望美ちゃんを無視して、おやじと話し込む将臣くん。
会話を弾ませてます。
「ひどいよ……」
諦めずにトライ。
「お腹空かない?何か食べようよ」
「おお、いいな。」
食事に誘いました。
酒場です。
「なぁ…、俺…めちゃくちゃ浮いてねーか?」
「そんなことないよ!」
「なぁ…、ここはいったい何の世界――」
「将臣くん!あっちの席だって!早く座ろう!!」
「ふーん。だが、なかなか感じのいい店だな。」
通された席はイチャイチャブースではない…。
ラブラブ計画が早くも躓く。
「(私の椅子なんて補助席だよ…)」
↑ これがイチャイチャブース。
いちゃらぶな好意に及べる、同伴喫茶みたいなもの?
二人で取り留めのない話をしていると、食事が運ばれてきました。
「お、きたきた」
「凄い量だね」
「アメリカンって感じだよな。…で、いったいここは何のせか――」
「さ、冷めないうちに食べようよ!!」
とても浮いている彼がいたたまれない…。
アメリカンサイズをあっという間に平らげる将臣くん。
「食べるの早いよ」
「手伝ってやろっか?」
「いいよ」
食事にはデザートまで頼んだはずなのですが
オブジェクトの設置方法を誤ったのか、皿が片付けてもらえないので
前菜だけで食事終了…。
また次の機会へ(こんどはイチャイチャブースを狙って)。
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食事が終わった後はお買い物。
ブティックに立ち寄ります。
ソファーで寛ぐ将臣くんの肩に、そっと手を回す望美ちゃん。
「お、おい…なんか立場が違くねぇか……?」
さらに将臣くんの体をさすさす撫で回す望美ちゃん。
セクハラ…?
その様子をガッツポーズで見守る店員。
気を急いでは嫌われてしまうので、この辺にしておいて
将臣くんに買ってあげる水着を物色。
「この間バイト代入ったんだ!」
「自分の為に使えよ。生活大変だって、いってただろ?」
「これ、将臣くんに似合うよ!着てみて!」
「着るだけな?」
将臣くんは試着室に入っていきました。
「まだかな〜」
試着室のカーテンをあけて中を伺ってみる望美ちゃん。
「鎧脱ぐの大変そうだよね」
「うわッ!?ばか!覘くんじゃねぇ!」
「私達、友達でしょう…?」
「友達でも、男の着替え覘くか普通ー?」
「昔は一緒にお風呂も入ったじゃない」
「いつの昔だよ!」
怒られちゃった…。
友情の崩壊。
将臣くんはうんざりして帰っていってしまいました。
デートは失敗です。
(覘くから…)
神(プレイヤー)に娯楽を訴える望美ちゃん。
タクシーを呼んで帰路に着きました。