chapter8: 頼久の憂鬱1 -前篇-
ついに教育職の頂点に君臨した鷹通。「文部大臣」に就任。
新たに手にした権力ですべてが思いのままだとか。
その後彼は勝手にビジネス界へと転進。
ビジネス世界もスピード出世であっさり極め、現在はなぜかスポーツ界に身をおいています。
さすがに運動は得意でないらしく、一筋縄ではいかないようです。
おなじく鷹通の後になってスポーツ界に転進した天真君よりも出世が遅れています。
この夜も友雅さんのプライベートルームを占拠する天真君と鷹通氏。
仲良く一緒のお布団でお休みになってますが、断じて二人はそんな関係ではないです。
二人の間に、熱い友情が芽生えているようです。
新密度は極めて100に近いですが、友情です。
余り組みコンビなのでしょうか。
「なぁ、お前って友雅の相棒だろ…?」
「天真殿こそ、青龍は頼久と貴方で一つなのでしょう?」
「………」
「…………」
・
・
・
ZZZZZZZZZ・・・・
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稼ぎ頭鷹通のおかげか、
経済的にもゆとりが出てきた平安家族は、
よくリゾート施設へと羽を伸ばしにいきます。
景品交換所にて。
「この黒い家鴨をいただきたい」
交換所のアニキ : 「ういぃ〜?こりゃ『ペンギン』だっちゃ、兄ちゃん」
「『ぺんぎん』…聞いたことは無いが…、とにかくそれをいただきたいのだ」
ずっとこのペンギンのぬいぐるみに目をつけていた頼久さん。
――この地へと趣き、初めてその愛くるしい形が目に飛び込んできたときには
不思議と胸がときめき、私の心の静寂に荒波をおこした……。
心奪われた瞬間だった―――。
それからは、私はこれを手に入れるために、この地にいる間は朝も夜も
不眠不休で景品獲得用の『コイン』とやらを集めに集めていたのだ…。
他の者にはもちろん言えぬ。
ともあれようやく念願成就か…。
屋敷へと帰る前にコインが溜まり間に合ってよかった。
アニキ : 「ほらよ」
「かたじけない」
受け取ったペンギンを「もう離さぬ」とばかりしっかりと握り締めます。
アニキ : 「お、おい兄ちゃん。あんまり力をいれると綿が出ちまうっちゃ」
帰宅。
屋敷に戻って、リゾート地で受賞した「ゴールデン雪ダルマ賞」のトロフィーを飾ります。
「……鷹通殿。差し出がましいことを申し上げるようですが、それをお飾りになるのはどうかと…」
宝探しで見つけた古びた長靴を飾ろうとする鷹通氏。
「……少々異臭がいたしませんか……?」
「これも旅の思い出です。思い出は品の良し悪しではありませんよ頼久」
「は、はぁ…(しかしこの鼻を突くような臭いはいかがなものかと……)」
「(はて、このペンギンはどこに置くべきか…)」
「ZZZZZZZZ・・・・」
ペンちゃんといっしょにおねむ。
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翌朝
頼忠さんがあかねちゃんをを連れてやって来ました。
屋敷の皆はみんな働きに出ていて、頼久さん一人しかいません。
「頼久さん、アクラムはよくないわよ。人選あやまってるわ」
「これも友雅殿の出世のためなのです。ご理解下さい神子殿」
偶然屋敷の前をアクラムが通りかかりました。
仮面をつけた悪ラムとは別のアクラムです。
「…アクラムか…?」
「いかにも。我が名は悪ラム…。絶対にして最強の支配者である。我はいずれこの愚民どもがのさばる世を統治し――」
「ああ、ああ、わかったからもういい」
アクラムの長い台詞は「スキップ機能ON」にてスキップさせるのがお約束です。
「ぬ…」
語らせてもらえない悪ラム。
丁度みんながいっせいに帰宅。
壮観です。大渋滞です。
頼忠さんに躓いて進めないリムジン。
明らかに衝突しているのに、車よりも頼忠さんの体の方が強靭らしい。
頼忠さんのために焼いたのに、先に手をつけちゃうし。
そして、完全に鷹通たちに占拠された友雅たちのベッドルーム。