chapter9: 頼久の憂鬱2 -後篇-
また雪原のリゾート地に息抜きにやってきました。
「ふふ…さすがだね頼久。褌でスノボとは」
鷹通は褌一枚で雪原の中月光浴です。
「さすがに褌とまではいかないが、わたしも…」
負けじとスノボに挑戦しようとする寝間着姿の友サマ。
観光客 : 「変わった人たちだな。」
「はっ!」
「ほっ!!」
「おっさんすげーな」
拍手の子供達。
「ふふ。ありがとう」
得意げの友サマ。
「少し冷えたか……。いや、文官の鷹通殿が裸でいらっしゃるのだ。武士の私が堪えられなくてどうする。」
再び、高山協会から「ゴールデン雪ダルマ賞」を授与する平安家族一行。
褌でのスノボプレイが称えられたのか。
「なぜこの様な時にアクラムの話などなさるのです鷹通殿。受賞が不服なのですか?」
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一路帰宅。
めでたく選挙に当選した橘上院議員、永田町へと向かいます。
また頼久さんは一人ぼっちになってはかわいそうなので
お友達の頼忠を呼びました。
友の前では惜しげもなくマグナムを晒す武士頼忠さん。
「うむ。立派だな。良きことだ」
アクラムも負けじと我がマグナムを披露。
「…鬼と同じ湯船には浸かれん」
頼忠さんは、アクラムにおいそれと秘宝は見せません。
「…頼久も早くあがることだな」
警告すると頼忠さんは行ってしまいました。
「ふん。お前も天の青龍か。なんでも我が君臨した時代より100年後だというではないか。」
「どうやらそうらしいな」
「…………して、実際のところ鬼の一族はどうなっとる?も、もちろん我が一族、我の子孫が統治する世の中になっとるのだろうがなっ。」
「……お前は神子殿をたぶらかし、宮様のお心をかどわかしたあの『仮面の鬼』なのか?」
「…おお、それは我が子孫か?!」
「……どうだろうな。だが、お前をここで倒せば、100年後に鬼は現れぬということにならないだろうか」
「!!!!!!!」
「…今ここでお前を…」
鋭い眼光で睨むと、頼忠さんは腰の刀に手をかけました。
「…!!!!ふ、ふむ。ここは穏便に、平和的にいこうではないか?な?」
仲間がいないので、極力争いは避けたい消極的なアクラム。
「お前は勝真によく似ているな」
「ん?誰だ?それ」
「ああ、私の人生における最大の友だ」
「……『武士』ってみんなお前や頼久みたいに恥ずかしい奴ばっかりなのか…?」
お手洗いでは、修羅場が迎えられていました。
アクラムが頼久さんに何かちょっかいを出したようです。
「あ……」
「アウチ!」
久しぶりに友雅さんの平手打ちが炸裂です。
泣かされちゃう鬼の首領。
「さっさと帰りたまえ」
「くぬぅ………、覚えておれ……」
アクラムが泣きながら去っていくと、その場で愛を確認しあう二人でした。