chapter10: 秘密のバイト -後篇-
頼久さんが町を歩いていると、突然声をかけられました。
声は太いが女性のようなしゃべり方をする性別の怪しいその人は
いいバイトを紹介するというので、自分も皆の為に稼ぎたいと思った頼久さんは
のこのこと付いていきました。
やってきたのは、とあるビルの、カメラや証明などの機材が置かれた一室でした。
「ここに立ってくれるかしら」
言われるままに、スクリーンが置かれカメラが用意されたセットに立つ頼久さん。
「ここは神聖な場所なのよ、あなた。俗世の衣服なんか身に着けていては穢れてしまうわ。」
そういわれ、疑いもせずに納得した頼久さんは、着ていた衣を全部脱ぎ、全裸になりました。
カメラマン : 「本当のあなたの姿をこのカメラは写すわ。隠さず自分を晒しなさい」
「……どのようにしたらよいかよく分からないのですが、こうでしょうか…」
初めてのことに戸惑いを隠せない頼久さんに指導するカメラマン。
カメラマン : 「もうっとこう…気だるげな感じに、顔の位置は……そうねぇ」
指示を仰ぎながらポーズを取り、一枚、一枚とフィルムに収められていく頼久さんの肢体。
カメラマン : 「………ボディービル大会のポージングじゃないのよ」
カメラマン : 「そう、そうよ!もっと鬱とした雰囲気で。足はもうちょっと開いてちょうだい」
頼久さんの鍛え上げられた肉体が、戦うこと以外にも役に立ちそうな瞬間。
こうして、頼久さんのモデル撮影は終わりました。
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後日また、頼久さんはスタジオに呼ばれていました。
なんでも、写真集のプロモーション用POP作成のためだとか。
頼久さんは渡された自分の写真集を手に持ち、カメラの前に立ちました。
カメラマン : 「あなたのおかげで大反響よ!!即日完売で増刷依頼が殺到よ!」
「私にはなにがなんだか…」
指示されながらポーズを取り、今日のポスター撮りを終え、ビルを出ました。
男 : 「!!!!!!」
最近、自販機でジュースを買うことを覚えた頼久さん。
『お〜いお茶』で一息ついていたところに、なにやら周りがざわつき始めるのを感じました。
「……なんだ?」
なぜか男ばかりが集まってきて、頼久さんを見ては一様に興奮しているようです。
男2 : 「兄貴と呼ばせてください!!!」
男3 : 「弟にして下さいっス!!」
「…皆目意味が解らぬのだが…。してくれといって兄弟になれるものなのか?」
押し寄せる男たちから逃れるように、頼久さんは送迎用の車に乗り込みました。
その車も上質なものに変わっていました。
熱狂的ファンもうろつき始め、障害になって車が進めません。
なんとかファンを振り切り、頼久さんは家路に着きました。
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望まずとも一躍有名になってしまった頼久さん。
どんなところに居ても人目を引いてしまいます。
ホテルの狭い浴室では、入り口が塞がれ便器は目の前なのに
その場から身動きもとれず、辛抱堪らない状態で尻を押さえています。
「くぬぅ?!」
発射五秒前。
どうすることもできず……。
頼久さんの人生に最大の汚点を残します。
リゾートホテルにて…。
二人のSEXをまじまじと観賞する子供。
「頼久……っ」
「…ッ……友雅…殿…っ…この様なところに童が…」
「座敷童子だろう」
熱狂的ファンも観賞にかけつけてきましたが
営みは終了した後でした。残念がるファン。
「頼久、お腹が空いただろう。食べる?」
「友雅殿、それよりもお早く何か御召しになって下さいませ。ここは我々の屋敷とは違うのですよ」
友雅殿の究極兵器の大きさに固まる熱狂的ファン。比べるべくも無い自分の股間に目を落としました。