chapter13: 永泉様の失恋 -後篇-
食後のひと時―――
(…!頼久が!友雅殿とそのような関係だったのですね…。存じ上げませんでした…
ああ……どうしたことでしょう……。なぜか胸が痛いのです……)
偶然友サマたちのキスシーンを目撃。
失恋しちゃう永泉様。
「ああ、永泉様。いらしたのですね」
が、ここで思わぬことが。
永泉様の気持ちに気がついた友雅さんは
少々からかって(意地悪して)やろうと、永泉様に「いちゃつく」を実行。
友サマのほうが怒られちゃった…。
(今までのシムの嫉妬状況からみて怒られるのは、された永泉様かと思ったのに)
「あなたという方は…!!」
ぶたれちゃう友サマ。
「攻撃する」まで選択肢に登場してきました。
頼久→友雅への愛情は一気に−100です。
「ああ…!!頼久…?!!どうしたというのです?!気でも触れましたか?!」
「永泉様にそのような不埒な振る舞いをなさるとは…!」
「ああ…いったいど、ど、ど、どうしたらよいのでしょう……わたくしは…無力です……申し訳ありません……わたしは…あの、あの……」
しかし一回の武士が、少将様に手を上げるなど許されることではありません。
ここは一つ平謝り。
「も、申し訳ございません友雅殿…!!!」
「頼久?!」
「醜い嫉妬をいたしました…!!私を好いてくださるというその同じ腕で、永泉様を……と思いますと……」
「愚かな私をお許し下さい…!」
「ごめん、頼久。私のほうが無神経だったよ。頼久の気が済むまでいくらでも打ってくれ」
「そんな!!貴方に手を上げるなど、今日の私はどうかしていました…!申し訳ございません」
もう二人の視界に永泉様はいません。
跪いて許しを請う頼久さんを、友雅さんは優しく抱えて立たせました。
「私を……お許しくださるのですか…?友雅殿…」
頼久さんの方が友雅さんよりも目線が上なのに、
屈んだ様な姿勢になっているために、
今にも泣き出しそうな子犬のような瞳は、下から見上げるような形で向けられました。
そんな目を向けられた先の友雅さんは、
自分がとんでもない悪人のような気になり、激しく罪悪感と後悔の念に駆られました。
『涙目』は、お姫様抱っこに次ぐ頼久さんの十八番かもしれません。
追い詰められた友雅さんにとっては、最大の武器です。
「許すも何も、許してもらうのは私の方だろう」
子犬攻撃をくらい、気持ち土下座をしてしまいたい衝動に駆られる友雅さん。
自尊心でとどまります。
「…私だけを見ていて欲しいなど……見分不相応な欲ばかり…」
「頼久、あまり『ストレス』を溜め込むとよくないよ。もっと正直に生きてよいのだよ。こと私に関してはね。」
「友雅殿、私は貴方を……お慕いしているのです…」
「私には君しかいない。君以外何も望まないよ。」
友雅さんは、もう悪戯しないことを頼久さんに誓いました。
とりあえず、若い子をみるとちょっかいを出したくなる癖も直すと言っています。
「愛しているよ、頼久」
永泉様は視線を落とすと、二人から目を逸らして部屋を出て行きました。
そして闘いの果てに……。(なんの闘いだろうね)
天真君が食事をしているときに二人が倒れてしまったので、
席を立ったときに、身動きがとれなくなってしまいました。
チートで移動。
まだ家に帰っていないちび頼は、今夜はやっさんと一緒に寝ているようです。