chapter5: 悪ラムの悪戯 -後篇-
「地の白虎よ、すぐにこちらへ参れ。」
完成した術は天の青龍の目の前でかけてやろうと、地の白虎友雅をこちらに呼び寄せます。
「はっ。なぜ私がお前の命令など聞かねばならんのだね」
吐き捨てるように言う友雅さんはトイレから動こうとしません。
友雅さんから見たアクラムへの友好指数はすごいことになっていそうだ…。
「頼久、私の側から離れてはいけないよ。
こら、お茶は我慢しなさい。……そもそも、よくあんな如何わしい男のところにあるお茶が飲めるよね…」
そのとき、
「地の白虎よ!!食らえぇぇーーいッ!!!!」
「なにッ!!??」
ばしゅッ!
悪ラムから妖しの術を食らってしまった友雅。
…本来なら頼久が庇うと思いますが、これはシムなので…。
「うぐ…っ」
しゅわわわわわ〜
ちょこん。
「ケロケロ、ケロケロ」
「ひゃっひゃっひゃっ、こりゃ愉快爽快。まったくいい気味だわい。思い知ったか!」
ご満悦のアクラム。
蛙になってしまった友雅を元に戻す方法は一つだけあるのですが…。
「ふんっ。誰がもどすかい」
頼久に戻して欲しかったのに、そう上手くはいかないもので。
しばらくすると…
どろん。
しゅわわわわ〜。
所詮無能悪ラムが放つ妖術。友雅は数分で元の姿に戻りました。
「アクラム、貴様……」
「友雅殿になんということを…!!」
「よ、よさぬかっ!絞め殺す気か?!」
つかつかつかつか(殺気が近づく音)
ばこっ!!
「アウチッ!!」
「友雅殿!!お戻りになられたのですね?!良かった…」
「ふん…つまらぬ。戻りおったか」
友雅殿が怒ったのは蛙にされたことではなく、頼久とべたべたしたから。
「な!!なにをするのだ、天の青龍よ。顔は叩くでない!!大事な仮面に傷がついたらどうしてくれるのだ。ご先祖さまから代々伝わる由緒正しき仮面なのだぞ??!!」
無体を働く悪ラムに頼久もついに激怒。
ええ、ちっすを迫ろうとしたらめちゃくちゃ怒られました。
相変わらず懲りない悪ラム。
「ふむ、この程度ならばよかろう?」
めげずに地白虎の目を盗んで。
「ううう…なぜ私がこのような男と…屈辱だ…」
シムなので。
「我のものになれ…」
そのためにもまずは、忌々しい地の白虎を片付けねばな。
「この棒の先をよく見るのだ」
「?」
「ふふふふふ…」
「…………」
がくっ。
「おっと」
如何わしい催眠術にかかり、その場に崩れ落ちそうになる友雅。
「我に服従せよ」
「…………………」
「ああ…!アクラム様…!」
「私がすべて悪うございました…!お許しを…!」
「ほほほ、わかればよい」
「お許し…下さるのですね!?なんと慈悲深い…」
「うむ。」
悪ラムのせいでおかしくなってしまった友雅。
こりゃ気分がええわい!
そして友好的に。
されどやはり所詮は悪ラムの催眠術。
すぐに解けてしまいます。
我に返った友雅は、激しく気分を害し、そのまま何も言わず、すたすた帰っていってしまいました。
一人残った頼久。
構わず一人食事。お客人は放置の方向で。
友雅さんは頼久さんを連れ戻しに戻ってきました。
ばこ!!
「アイターーッ!!」
ついに友雅から「攻撃される」が発動。
悪ラムがシム京から追い出される日も近い。
(シムは喧嘩に負けると、負けたほうが町を出てゆく)