chapter7: 盤上遊戯 -後篇-
頼久さんはご入浴中。
「友雅殿に失礼なことをしてしまっただろうか…」
身体を綺麗に清めた頼久さんは
友雅殿に何か言いたいことがあるようです。
「…先ほどは…その…、申し訳ございませんでした」
ちょうどそのとき、玄関から呼び鈴の音が聞えました。
頼久さんです。
「あれ?こんにちは頼久…さん?」
「神子殿、お久しゅうございます。お変わりありませんか?」
「…頼久さんも私達みたいに増えちゃったの?偽頼とかいたりするのかな」
「…『偽頼』…でございますか?!」
とりあえず、攻略キャラが増えたのは良き事ということで
さっそく暖かく迎えました。
「…………」
「…………」
「頼久か…」
「ああ…、元気そうだな」
「そちらの友雅殿はどうされている?お健やかに過ごされているだろうか」
「心配ない。お変わりなくご健勝でいらっしゃる」
「…………」
「…………」
「友雅殿…」
「君が私の愛する頼久だね?」
「お分かりになるのですか?!」
「ああ、私の前でも恥らいなく用を足せるのが恋人の証だよ」
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テレビやステレオがある居間に、みんな集まりたがります。
緑神子が朝食でのしっこもらしでの失態を挽回しようと
頼久さんに踊りをアピールしていました。
緑神子と頼久さんが手を取り合って踊っているのが許せない友雅殿。
「残念だが頼久の恋のお相手は、もう決まっているのだよ。」
「これじゃぁ『ネオロマンス』にならないよ〜」
「(だったら私はこっちの頼久さんを狙うわ…!)」
黄神子と頼久さんが曲に合わせて踊っていると、
友雅殿は癪に障ったのか、突如ステレオの電源をお切りになりました。
「ぷん!」
「……申し訳ございません神子殿…。友雅殿はご機嫌が優れないようで…」
友雅殿は切ったり付けたりを繰り返してます。
「……………」
少し早めのご就寝。
頼久さんを囲んでの立ち食い神子たち。
頼久さんの隣は誰が座るかでもめた末に、結果平等にということでこうなったらしいです。
この頼久さんも既に別の友雅さんによってお手つきだということも知らずに…。
ベッドで眠る友雅殿の恋人の頼久さんもおねむ。
騒々しかった神子達もおねむ。
ベッドが余っていないので
こちらの頼久さんは眠る場所がなく、風呂場でダウンです。
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あさです
シャワーを浴びたいから眠る頼久さんに出て行って欲しい緑神子と
朝風呂に入りたい友雅さんの恋人の頼久さん。
追い出された頼久さんは、固い床で寝ていたので身体の彼方此方が痛いらしいです。
八葉の皆がいる屋敷へと帰ってゆきました。
おそらくここには二度と来ないでしょう…。